税務トピックス~相続について

相続と聞くと、きっと「われわれ庶民には関係ないよ」とおっしゃる方が多いと思います。ですが、今日では、家族関係や夫婦関係の変化によって、相続税を納める必要がない人たちでも、わずかな親の財産をめぐって、相続争いを繰り広げてしまうことは珍しいことではありません。

不要なトラブルや家族間のわだかまりを防ぐためにも、相続について、基礎的な知識から実際に活用できるレベルの知識を、できるだけわかりやすく「Q&A形式」でご説明していきたいと思います。


2009年度の税務トピックはこちらからごらんください


■ 相続人が財産を相続できない? 相続人がいない財産はどこへいくの?

・ 2010/09/24

○ 相続人が相続の資格を失うのはどのような場合ですか?

テレビドラマの筋立てで、相続人が自分よりも先順位の相続人や同順位の相続人を殺害しようとしたり、あるいは殺害してしまうというシーンをよく見受けます。

これらは「相続人としての資格がない」と認定される代表的な例です。当然、資格がないと認定されると、相続人にはなれません。これを「相続欠落」といいます。

このほかにも被相続人に対し、殺害の事実を知りながらそのことを隠していた(告訴、告発しなかった)場合や、脅迫や詐欺によって相続人に遺言の取り消し、変更をさせたり、遺言書そのものを偽造、破棄、隠匿した人などはいずれも相続の資格を失います。

きわめて残念であり、痛ましいことですが、日本で発生する殺人事件の多くは親族間において起きているそうです。

また被相続人を侮辱したり、被相続人を虐待したりした場合や、相続人に著しい非行があった場合には、被相続人の意思で相続人の相続権をなくすことができます。これを「相続排除」といい、遺言書による意思表示や、存命中に家庭裁判所への申請で実行可能です。

○ 相続人がいない財産はどこへ行くのでしょうか?

最終的に全く相続人や特別縁故者が存在しない場合は、相続財産は国庫に入ります。 特別縁故者とは、内縁の夫・妻、被相続人の療養看護に努めた人、戸籍上は養子縁組の届出がなされなかった親子同等の関係者など、被相続人の存命中に精神的あるいは経済的な支援を行っていたなどの密接な関係を認められた人をいいます。

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■ ちょっと堅苦しい表現ですが、「相続人と被相続人」って何でしょう?

・ 2010/03/02

私たちは時として、実際にはわかっていても、日常的に使わないような言葉で表現されると、ちょっと面喰って意味がとれなくなってしまうことがあります。

法律用語やパソコン用語などがその代表例です。簡単に考えましょう。相続では、財産を残す人とその財産を受け継ぐ人で問題が発生します。

当然、財産をもらう、引き継ぐ人が「相続人」です。従って、財産を残す人が「被相続人」となります。

もともと「被」という漢字は、「受け身」を表す言葉ですから、「被相続人」とは、「相続される人」ということになります。

○ 相続に「スタート」ってあるのでしょうか?

通常は、「被相続人」の死亡により、相続は開始されます。ですが、失踪によって生死や居所もわからない、また冬山での遭難や海難事故で、生死の確認ができないなどの場合は、失踪宣言によって、相続が開始されます。

音信不通で7年以上に渡り、生死不明となっている場合が、普通失踪で、冬山での遭難や海難事故などで1年以上生死不明となっている場合は、危難失踪と呼ばれます。失踪宣言は、家庭裁判所に申し立てを行います。失踪宣言を受けると、法律上死亡とみなされ相続が開始されます。

○ いきなりですが、内縁関係の場合、相続人になれます?

「相続人」になれる人のことを、「法定相続人」といいます。この法定相続人は、妻や夫である配偶者と血族に限定されています。

配偶者は、正式な婚姻の届出を行った夫または妻のことをさし、内縁関係の場合は、法定相続人にはなれません。

しばしば、テレビのクイズ番組でも出題されますが、「新婚旅行に出かけたカップルが事故死した場合」はどうでしょうか?このカップルが入籍前であった場合には、相続権は発生しません。

○ 養子は財産がもらえますが、つれ子はどうでしょうか?

養子の場合は、養子縁組を行った日から実子と同じ扱いになります。結果、養親(ようしん)、実親(じつおや)の両方の相続人になれます。

しかし「法定相続人」には、配偶者と血族相続人のみとされるために、血縁関係のない連れ子には相続権がありません。

そこで、連れ子に財産を分ける場合は、あらためて養子縁組を行うか遺言書を残しておく必要があります。

これに関連して、婚姻関係のない男女から生まれた子、いわゆる「婚外子」の場合は、「認知」によって父との間に親子関係を生じさせることで、財産権を得ることができます。認知されると出生時に遡って実子として扱われます。

わかりづらい表現ですが、法律用語では、 婚姻届を行った両親から生まれた子を「嫡出子(ちゃくしゅつし)」、婚姻関係のない男女から生まれた子を「非嫡出子(ひちゃくしゅつし)」 といいます。

婚外子(非嫡出子)の相続分は、基本は嫡出子の2分の1となります。このとき婚外子の相続分を嫡出子と均等にしたい場合は、婚外子と養子縁組をしなければなりません。

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